南風原花織(はえばるはなおり)

かすりに代表される一般的な平織りがタテ糸を通す綜絖(そうこう)と呼ばれる器具を2つ使うのに対して、南風原花織(はえばるはなおり)では8枚ほど(多いときは10枚)もの綜絖を順番に操作して図柄を浮かび上がらせます。

そのため表・模様となる部分が浮き出て、裏・他の緯糸が浮いた状態になっているという特徴が生まれます。それだけ複雑で職人の腕が問われ、たいへんな手間と時間をかけてつくられる織物です。

南風原町では、明治の頃から花織の技法を母から娘へ伝承した形跡があり、現在も改良されながら織り続けられています。

南風原花織の染色の特徴は、県内で採取される琉球藍、福木、テカチ染め等の植物染料を用いることです。その模様は花のように美しく図柄に立体感がでて華やかな印象を受けます。

また、歌い継がれている歌に、「んじゃりがなわかちぬぬなするいなぐ、花ぬヤシラミーん織いどしゅうる」(どんなにもつれた糸でも、ときほどいて反物を作る女が花のヤシラミーもおれるのだ)というものがあります。

花織のヤシラミーが作れるには、どんなにもつれた糸でもときほぐすくらいの忍耐と辛抱強さを備えなければならないという教訓歌です。