与那国花織(よなぐにはなおり)

沖縄の花織

与那国島は日本の最西端に位置する周囲20kmの小さな島です。この島の織物の歴史は古く、500年前にはすでに製織されていたようです。

与那国織(よなぐにはなおり)には昔は役人にのみ着用が許されたという幾何学模様の紋織が小花のように可憐な【与那国花織】、豊年祭などの祭りに着用される与那国【ドゥタティ】、植物染料で染めた色糸を織りこむ与那国【シダディ(手ぬぐい)】、ミウト(夫婦)などの絣模様が美しい与那国【カガンヌブー】、の4つに大きく分かれ、豊かな織物文化を今に伝えます。

幾何学的に表現されている花織は、柄によってダチン花(八つ花)、イチチン花(五つ花)、ドゥチン花(四つ花)と呼ばれています。

その「花」が経糸(たていと)の一部を浮かすことによって格子縞の平織面上(ひらおりめんじょう)に浮かび、両面使用できることから両面浮花織(りょうめんうきばなおり)とも呼ばれます。

藍染の清楚な気品と草木の柔らかな色糸が交差して、他の着物にはない唯一無二の“洗練された美しさ”を生みだしています。

浮き織独特の上品な光沢は、角度によってまた違う表情を見せてくれる趣深い作品です。

直線的な構図の中にも伸びやかで広がりがあり、格子縞の織り合わさった色合いがより布に深みを与え美しい花々が元気に咲き誇っているように感じとられます。

時間をかけて職人が丹精を込めて織りあげた与那国花織は温かみのある優しさの感じられる織物です。

浮織りの凹凸感は程よく肌に添うので、お召になった時の着心地の良さも格別です。

本場与那国花織は生産数も絶対的に少ないですし、一般市場に出回ることも難しい、琉球織物の中でも大変な希少品です。