ざざんざ織

ざざんざ織 とは潮風に冴え、人々に美しさと安らぎを与える松風の音を表現した「ざざんざ」にあやかってその名がつきました。

創作者は浜松市中島町の平松実氏。平松氏は昭和3年、柳宗悦が提唱した民芸運動に深く共鳴し、自ら民芸運動の一翼をになって工芸的織物の創作を始めたのです。

平松氏の家は、代々織物業を営んでいましたが、機械によらない織物を創意工夫し、その結果、昭和4年「ざざんざ織」を完成させたのです。

ざざんざ織の特徴

ざざんざ織は紬の織物ですが一般の紬との違い、絹糸そのものがあるときは玉糸であり、あるときは手引糸で、これらの糸から引いた紡糸は太さ細さの変化があり、糸自体の出すムラがざざんざ織の持ち味です。

節のある玉糸を数十本よりあわせて織り上げますが糸が太いため、精練工程では約4時間かけて煮沸します。そのため、糸の量は三割以上も減りますが、ざざんざ織特有のしなやかさが得られます。

2匹の蚕が共同で作った糸を丁寧に織り上げ、色付けに自然の草木や植物を用ることで絹独特の光沢と暖かな風合いを生んでいます。

染色には茜、やまももなどの草木、植物を用い、灰汁、みょうばん、鉄などの媒染剤により色あいを工夫しています。

植物染料だけが持つ独自の落ち着いた深みのある染め上がりは、何ともいえない趣きがあります。

もちろん、織りは昔ながらの手機手織で、こうして生まれてきたざざんざ織は、あたたかな風合いと着込むほどに増してくる自然の艶と絹織物独自の美しさを生み、だれからも親しまれ、愛用されています。