福田喜重(ふくだきじゅう)

福田喜重 (ふくだきじゅう)刺繍 人間国宝

分業が基本の京都の染業界の中で、「着物をお召しになる人をもっと輝かせるものを作れないか」と、昭和46年には『福田工芸刺繍研究所』を設立し、自分が納得のいく創作の追及に乗り出しました。
自ら「地染め」「暈かし染め」「摺箔」について、博物館や染織試験場に通い、昔の人の染めたものを見て勉強し、その後は実際の職人のもとへ通われたそうです。
現在はひとつの家屋の中で、生地の選定から染色、摺箔、刺繍まで、すべて工房内にて完成させる、“着物の総合プロデュース”にて作品づくりをされています。
福田喜重氏の「女性を美しく輝かせたい」という想いが染み込んだ工房から生まれる着物、それは刺繍本来の重厚な雰囲気が現代的に表現され、着物の世界に独自の境地を切り開いたと言われています。
平成9年には「刺繍」の分野で初めて人間国宝に認定されました。

福田喜重氏は、平成9年に刺繍では唯一の人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定された人物です。
京都の刺繍職人の家に生まれ、父である刺繍家福田喜三郎に1948年から師事。父からの厳しい指導によって本格的伝統技法を習得しました。
一越縮緬や綸子地などの生地を使用し、意匠では自然物を流動的に表現し、色糸による刺繍で微妙なグラデーションや細かい作業によって繊細で流れるような曲線を描きます。
そのため、作品は平坦にならず、奥行きを感じさせる絵柄となります。

【略歴】
昭和07年(1932)京都市に生まれる
昭和23年(1948)家業を継ぎ、父喜三郎より刺繍の技術を習得
昭和46年(1971)日本伝統工芸展に入選
昭和51年(1976)日本伝統工芸染織展にて末京都教育委員会賞
昭和53年(1978)日本伝統工芸展にて奨励賞
昭和55年(1980)日本伝統工芸展突励賞(文化庁買上)
昭和56年(1981)個展(銀座 資生堂)
昭和60年(1985)個展(京都 朝日画廊)
平成01年(1989)個展(銀座 資生堂)
平成04年(1992)個展(銀座 資生堂)
平成09年(1997)京都府無形文化財「刺繍」保持者に認定
平成11年(1999)重要無形文化財「刺繍」保持者に認定
紫綬褒章
現在 日本工芸会正会員 参与