加藤改石(かとうかいせき)

加藤改石 (かとうかいせき)加藤機業場 牛首紬

牛首紬は二軒の工房が認定されています。白山工房と加藤機業場による改石牛首紬です。
牛首紬の特徴はまず経糸に上繭、緯糸は玉繭(双子の繭)を使用しますが、玉繭はおよそ千個に四個の割合でしか取れない貴重な繭ですが、加藤さんは100%緯糸に使用しています。
糸紡ぎから製織まですべてを一軒で行っている加藤改石さんの工房で作られる牛首紬は、反物でいうとわずか年間300反ほどという希少価値の高いものとなっております。

加藤機業場改石牛首紬
こちらは牛首紬のなかでも特に希少価値の高い【改石牛首紬】のお着物です。加藤機業場(加藤工場)の牛首紬は、社長の加藤改石氏の名より、【改石牛首紬】と呼ばれています。

実際に加藤機業場で見学させていただいた時に伺ったお話です。
戦後には工房の近くに養蚕農家が7軒あったそうですが、だんだんと件数は減っていきました。
しかし、改石さんのお母様である加藤志ゆんさんが牛首紬を守るために懸命に努力をされたおかげで今があると
改石さんはおっしゃいました。
その功績を称えて、加藤志ゆんさんは黄綬褒章を受章されました。
志ゆんさんの力強い意志を継ぎ、 今も伝統を守りながら糸紡ぎから製織まで一貫して工房内で行っています。

牛首紬の良し悪しを決めるといっても過言ではない糸づくり。
2匹の蚕が偶然作りだす玉繭を直接手で引き出して一本の糸にしていく「のべ引き」という工程によって味わいのある節、美しい艶、滑らかな手触りが生まれます。
玉繭から引き出した太くしっかりとした糸によって堅牢度が高くなり、別名「釘抜き紬」とも称されます。
複雑に絡み合った玉繭から一本の糸を作るには高度な熟練の技が要求され、それこそが牛首紬の独自性を守っているのです。
全ての過程で職人の手の温もりをたっぷりと吸収し、しなやかさとハリのある上質な地風が育まれるのです。
手に触れ眺めてみると、織は高貴なまでに端正で深い味わいがございます。