北村比呂志 (きたむらひろし)

北村比呂志 (きたむらひろし)本場加賀友禅作家

加賀五彩友禅の創作期の基礎になる技術などを独自に開発した本場加賀友禅の巨匠北村比呂志先生の作品です。
岩田豊麿に師事し、長年に渡って色彩研究に励みました。
小林喜代美や木村州宏をはじめとする多くのお弟子さんを育成され、今も加賀の五彩美は脈々と受け継がれています。

実際に手で触れるとその滑らかなちりめんの質感に驚くのではないでしょうか。
上質な絹に包まれる感覚は何事にも代えがたく、和装の醍醐味といえるものです。

加賀百万石の城下町金沢は、犀川、浅野川の二つの清流にかこまれ、今も緑多き静かなたたずまいを残しております。
良質の水と山と山紫水明、四季折々の細やかに変化する自然に恵まれたこの金沢に、本加賀友禅は生まれ育てられました。
本加賀友禅の特徴は、まず第一に、模様が草花、鳥、山水を主軸とした写生調の大変細やかな絵模様であること、第二に藍、臙脂、黄土、草、古代紫の一般に加賀五彩といわれる色系統を基調とした多彩な配色、第三に暈し(特に外側から内側に細かく暈しをつける)と虫喰いの技法、第四に繊細な糸目糊によって細い白上りの線が装飾的に美しい効果を盛り上げ、本染の味を十分に発揮しているところにあります。
こうした特色を有した本加賀友禅は、時代とともに模様や色に変化はみられますが、伝統を重んじ、創成期における特色を色濃く残している故に、かえって現代の我々にやすらぎとうるおいをあたえ、着る人々の心を強くひきつけてやみません。

密度の高い文様の一筆一筆を目で追いかけていくと、北村比呂志氏の熱き矜持が随所から感じることのできるおもくちの仕上がりとなっております。
加賀五彩をそのまま用いた部分もあり、どこまでも深みのある色彩は圧倒的な力強さと存在感がございます。
「完璧」という言葉がぴったりの、計算され、研ぎ澄まされた構図にうっとりと夢中になりますね。

加賀友禅について