小宮康孝(こみや やすたか)

小宮康孝 (こみや やすたか)江戸小紋 人間国宝

小宮康孝氏は父小宮康助氏の厳しい指導のもと日々修行されました。
康孝氏が染料の改善を始めたのは20代の半ばで様々な染料で布を染め、堅牢度を測定しては試行錯誤をくり返しました。
そしてイギリスの紳士服の染料にヒントを得て江戸小紋に応用し、防染糊の中に色止剤を混ぜて、文様部分への染料の浸入を防ぐことを試みました。
これにより堅牢度が高く鮮やかで絹本来の光沢を活かす透明感のある染色方法の開発に成功しました。

緻密な型紙の通りに迷いもなく真っ直ぐに一つ一つ丁寧に彫るという高い能力と、型彫りに対する思い、そして真剣なまなざしで素晴らしい作品を作り上げられました。
昭和53年父についで江戸小紋で人間国宝に認定されます。

普段のお洒落として気軽に着られる小紋。それが小宮康孝さんの目指すものです。
長く愛着を持てる理由、そのひとつは洒落たデザインではないでしょうか。
昭和50年、小宮さんが50歳の節目に作り上げた小紋柄の見本帳『小紋百景』には日本の四季を描いた図柄、とんちの利いた洒落文様など135種類のデザインが収められています。
小宮さんの大きな功績は、現代の染料を研究し「時を経ても色褪せない」小紋を作り上げたこと。
江戸生まれのデザインに、永遠ともいえる命を吹き込んだのです。

江戸小紋は、昔から分業によって作られてきました。
かつて康孝氏は江戸小紋の美しさについて「柄の1粒1粒が,自由と責任を持っているからだ。」といいます。
文様を生み出す図案師、文様を彫り抜く型彫師、染師…。それぞれが技の粋を研ぎすませることで、凛とした点が反物の上に洒落の世界を生み出します。

~小宮康孝~
1925(大正14)年、東京・浅草に生まれる。
父の康助も江戸小紋の重要無形文化財。
1945年の空襲で小宮家は自宅と工場が全壊し、一時家業を中断。
甲府の連隊に入隊した康孝は終戦後に復員し、父とともに1947年に江戸小紋の板場を再建する。
以来、色焼けがなく鮮やかな発色を追い求め合成染料の品質を追求。
精密な柄と美しい色彩の作品は日本伝統工芸展で数々の受賞に輝く。
1978年、重要無形文化財保持者に認定される。
東京都文化賞、紫綬褒章、勲四等旭日小綬受章など受賞、受章歴多数。

小宮康助について