松本輝夫

松本輝夫 藍染作家

全国阿波藍染染織作家協会会員で株式会社「こんや」も務める松本輝夫氏による天然灰汁発酵建手藍染の作品です。
日本にのみ残る「灰汁醗酵建藍染(あくはっこうだてあいぞめ)」。この藍染は、藍草の葉を醗酵させ「(すくも)」という染料を造り、それを堅木の「灰汁」で溶き醗酵、粥状に炊いた「麩(ふすま)」を与え染色します。
手間がかかり、非効率的だが、他には真似出来ない色を醸し出してくれます。
愛情を注ぐと美しい紫紺の華を咲かせ、幾度も甕に浸け、水にくぐらせるときれいな色を重ねてくれます。
手元を離れてからも持つ方と共に長く年を重ねてくれるのが本物の「藍」の魅力です。
藍に一度浸けたときの色は、かめのぞき。次にみずあさぎ、あさぎ、そらいろ、花いろ、なんど、並紺、中紺、濃紺と色が濃くなります。

松本輝夫氏の研ぎ澄まされた感性が伺える大変見事な意匠構成です。
静寂な雰囲気の藍色のなかに浮き上がる樹氷の姿は日中の白銀に輝くそれとは趣がまったく異なり、まるで幻想的な世界に迷い込んだ雰囲気です。
枝に触れるとヒンヤリと冷たそうですね。
着れば着るほど藍色が鮮やかに変化する、自然の恵みと手仕事の結晶といえる芸術品です。