森口華弘 (もりぐち かこう)

森口華弘 (もりぐち かこう)友禅 人間国宝

森口華弘は明治42年12月、滋賀県守山市岡町に生まれました。
大正13年より、三代目友禅師・中川華邨に師事し、その一方で華邨の紹介で、四条派の画家・疋田芳沼に就いて日本画を学びました。
昭和14年1月に独立して工房をもつまで、華邨の工房で友禅の研究と修行に励みました。
そして博物館で目にした漆蒔絵の梨子地にヒントを得て、江戸時代から伝わる撒糊(まきのり)技法を、漆芸の蒔絵(まきえ)技法と組み合わせることを思いつき、苦心の末、独自の「蒔糊(まきのり)」の技術を生み出しました。
昭和30年、第二回日本伝統工芸展に蒔糊を施した友禅着物「おしどり」「早春」「松」を出品し、全作入選し、そのうちの「早春」は朝日新聞社賞を受賞します。
昭和31年、第三回日本伝統工芸展で友禅着物「薫」が文化財保護委員会会長賞を受賞し、日本工芸会正会員となりました。
翌32年から同展鑑査員に就任します。
その後、昭和42年、57歳の若さで重要無形文化財「友禅」の保持者に認定されました。
昭和46年、紫綬褒章を受賞します。

森口華弘さんの作風は高度な蒔糊(まきのり)技術や友禅の暈しの技法を用いた、すっきりと抑えた色彩で大胆かつ穏やかな表現が特徴といえます。
中でも、枝梅と叩きの文様は、森口華弘先生の代名詞とも言える作品です。

重要無形文化財友禅の保持者で人間国宝蒔糊
こちらのお品は、華弘氏の真骨頂ともいえる『蒔糊』のみの表現で、一つ一つが丁寧に森口華弘さんの手によって施されております。
胸元や袖、そして裾元にまるで花火のように大きく広がる竹の描写。
片身替わり風の竹縞はとても勢いが良く、眺めていて清々しい気持ちになるほどです。

他の作家さんの着物とは異なる、森口華弘さんならではの圧倒的な意匠構成。
それは細部に至るまで考えに考え抜かれた図案と高度な技術の賜物であることはいうまでもありません。
蒔糊の小さな点の集合体をそれぞれの場所に満たすか否かによって、竹の直線を生み出し、
そして白上げの笹を今にも風で揺れそうなほど浮かび上がらせているのです。

森口さんは長年の経験と努力を積んだからこそ、はじめて、見る人たちの心を感動させることができるのですね。

森口邦彦とは