南部芳松(なんぶよしまつ)

南部芳松 (なんぶよしまつ) 突彫り 人間国宝

江戸小紋など、日本の染め物の美しい柄を作り出す伊勢型紙。 数ある型紙の中でも、伊勢の型紙は紀州藩の保護のもとで発展し、高い技術と技法を誇ってきました。
その彫りには、鮫小紋を彫りだす錐彫り、縞の模様を彫る引彫り、最も古い型紙の技術の1つであり、細かい柄物をつくる突彫り、種々の模様を型どった刃先で型をぬく道具彫り等の技法があります。
南部芳松の突彫という技術は、5~8枚の型地紙を台に置き、刃先1mm~2mmの小刃で、垂直に突くようにして前に彫り進みます。
この突彫という技術は、彫り口が微妙に揺れるので、独特のあたたかみのある仕上がりになるといわれています。

こちらの作品はぎっしりと敷き詰められた貝殻と笹に目を奪われます。
じっと見つめていると、南部芳松氏の一突、一突丁寧な手仕事の姿が想像されます。
今ではなかなかお目にすることのできない、大変珍しい貴重な逸品です。

突彫りの人間国宝

【略歴】1894-1976
三重県出身、明治27年9月20日生まれ。父に伊勢(いせ)型紙彫刻の突き彫りをまなぶ。
白子徒弟学校中退後、明治42年山梨県谷村で甲斐絹(かいき)型を44年から東京の小林勇蔵に中形彫刻をまなぶ。
大正2年独立。
昭和30年「伊勢型紙突彫」の保持者として人間国宝認定。
昭和51年11月5日死去。享年82歳。