森口邦彦(もりぐち くにひこ)

森口邦彦 (もりぐち くにひこ)友禅 人間国宝

森口邦彦さんは同じく人間国宝である父・森口華弘さんのご次男であり、親子が同時期に重要無形文化財に認められたのは伝統工芸の分野で制度史上初めてのことです。
森口友禅といえば高度な蒔糊技術の創造と細密かつ大胆なデザインによる着物制作で知られています。
森口邦彦さんは父の姿を見て育ち、日本画や建築、パリではグラフィックデザインを学ぶなど精進され、モダンで洗練された友禅を制作し、革新的な息吹を吹き込みました。
華弘さんの花鳥をモチーフにした華麗な友禅に対し、明快な幾何学文様を駆使した斬新な表現を見せる邦彦さんの作品からは伝統を受け継ぎながらも、独創的な進化を続ける力強さが伺えます。

蒔糊とは天日で乾かした糊を細かく砕き、布の上に蒔(撒)いて防染剤にする技法で、江戸時代には「撒糊」を呼ばれていた伝統的な友禅技法です。
角張ったままの形に砕いた糊を、蒔絵ふうに着物の全面に蒔き、染め分ける色の順序によって微妙な色合いの変化が生み出されます。
常に立体的に着用した際の美しさを念頭においてつくられる邦彦さんならではの出来栄えです。

《森口邦彦プロフィール》
1963年 京都市立美術大学 日本画科卒業
1966年 パリ国立高等装飾美術学校卒業
1967年 父 森口華弘のもとで友禅の修行をはじめる
第14回日本伝統工芸展に入選 以後今日まで連続入選
1968年 伝統工芸第5回日本染織展に入選 以後連続入選
2007年 重要無形文化財「友禅」保持者認定
世界各国の美術館等で個展が開催され、高い評価を得ています。

《受賞歴》
1988年9月 フランス政府 芸術文化 シュヴァリエ章
1992年3月 芸術選奨文部大臣賞
1998年1月 京都府文化賞 功労賞
2001年5月 紫綬褒章
2003年11月 京都市文化功労者
2013年11月 旭日中綬章

森口華弘とは