篠田伸正

篠田伸正 本場加賀友禅作家

こちらは本場加賀友禅作家 篠田伸正氏による枝垂れ桜に蝶の作品でございます。
加賀友禅は、今からおよそ五百年前、加賀地方独特の技法であった無地染の「梅染」までさかのぼります。
これに模様が加わるのは十七世紀中頃のころであり、兼房染や色絵・色絵紋などを総称して、当時は加賀御国染と呼ばれていました。
そして、十八世紀になり斬新なデザインの模様染に、その才能を遺憾なく発揮した「加賀友禅の始祖」といわれる宮崎友禅斎が金沢に来るに至り、加賀友禅が大きく開花することになります。

加賀友禅は古くから加賀友禅地方独自の染色技法であった「加賀染」を基に、宮崎友禅斎が享保年間(一七一八年頃)に新しく模様を取り入れたことに始まります。
特徴は、五彩といわれる藍・臙脂・黄土・草・古代紫を基調とした暖かな色彩に、花鳥山水を描いた絵画的な構図、そして模様の外側から内側へボカシを入れる技法にあります。

枝葉や花弁の輪郭はしっかりと糸目糊置きで防染をしていますが、内側の暈しは色と色が交わりあうことでほんのりと淡くなり、より自然な表現となっています。
地色と意匠のどちらも乙女心をくすぐるとってもラブリーな色彩使いですので、女性にとってはまさに、夢のような特別な仕上がりです。
可愛らしい蝶やハート型の花びらがヒラリヒラリと舞う姿にも、篠田さんの素敵な感性が伺えますね。