谷崎善治

谷崎善治 本場加賀友禅作家

着物の格では第一礼装であり、西洋のイヴニングドレスに相当する、最も格の高い礼装である黒留袖。
本場加賀友禅作家・谷崎善治氏によって、こちらは「寂静の庭」と題された美しい風景が上品に描かれています。

加賀友禅は古くから加賀友禅地方独自の染色技法であった「加賀染」を基に、宮崎友禅斎が享保年間(一七一八年頃)に新しく模様を取り入れたことに始まります。
特徴は、五彩といわれる藍・臙脂・黄土・草・古代紫を基調とした暖かな色彩に、花鳥山水を描いた絵画的な構図、そして模様の外側から内側へボカシを入れる技法にあります。

京友禅や十日町友禅とも異なる、重厚で写実的な絵画表現。
豊かな自然風景、梅や松、椿の可愛らしい姿。
数え切れないほどの色を、生地に一色、一色、人の手でさしていくからこそ
模様に奥行きと立体感が生まれるのですね。
谷崎善治氏の高度な技術力、そして真摯な姿勢が伺えます。
眺めれば眺めるほど、まるで私たちが庭に足を踏み入れ、新緑の香りや小鳥のさえずりを体感しているようです。