鶴田一郎 (つるたいちろう)

鶴田一郎 (つるたいちろう) 美人画家

切れ目の妖艶な美人画で知られる画家兼グラフィックデザイナーの鶴田一郎さん。
鶴田さんは高校を卒業後、多摩美術大学グラフィックデザイン科に進み、イラストレーターを目指します。
西洋文化と写実的な作品を描くなかで、「日本人である」という意識が芽生え琳派や仏教美術等、日本美を追求していきます。

こちらの作品は「私自身のミューズ(女神)を描きたい」と永遠のテーマを語る鶴田さんによる、素晴らしい振袖です。

グラフィックデザイナーの振袖
大胆な白色と黒色の縞文様を背景に、つば広の女優帽を被った三人の女性が右袖後ろから後ろ身頃、そして左衽(おくみ)へと流れるように描かれています。
鮮やかな紫色・滅紫(けしむらさき)・エメラルドグリーンをテーマとした帽子とイヤリング、そして洋服のコーディネートが各々の個性をアピールします。
優しさと芯の強さを感じさせる眼差しは鶴田一郎さんの作風の特徴です。
背景の縞文様も斬新で、人生の晴れ舞台にふさわしい優雅なデザインです。

美人画の振袖
黒髪とエメラルドのように輝く瞳が美しい二人の姉妹。
眉毛や瞳、鼻筋をすーっと真っ直ぐに引き、その端正な表情から妖艶なムードが醸し出されます。
眺めていると二人にだんだんと吸い込まれていき、声色や体のポーズ、性格など様々な想像が膨らみますね。
グラフィックデザイナーならではの独特の空間使いは肩山から裾への染め分けにも現れており、大胆の色使いは美人姉妹とともに、その場の主役へと導いてくれます。