山岡古都(やまおか こと)

染人・山岡古都は、染色家として話題作を次々と世に問い続けると共に、草木染や古代染の研究家としても、つねに我が国の染織界をリードしました。

装う女性に「よろこび」と「感動」を与える染色作品を創作するため、染色のメッカ京都と天然染料の宝庫である沖縄に工房と伝統工芸館を創設して、古代染の再現と新しい染の可能性を見出し、生涯を通して幅広い活動をエネルギッシュに続けられました。

染色美術品
こちらは古代に使用された薬草を用いて長い日数をかけて手仕事にと染め上げ、心を込めた染色美術品です。

薬墨染の幽玄な世界の中に和洋の様々な草花がおりなされています。

紀元前に生まれた墨は薬用としても隠れた不思議な力があり、古より金に匹敵すると言われ最高の天然炭素、名黒の墨を100%全面大量に用い絹の光沢と、松煙粒子の墨の光に神秘な銀色を活かし、堅牢にし、世界でも類を見ない染織技術は、墨を多く食べた染人・古都独特の技により生み出されました。

~山岡古都の経歴~

昭和26年 染織の道に入る。
29年 古都草木染研究所を創設。
43年 京都国際会議場に「伐折羅大将」(ばさらたいしょう)を描く。
45年 日本万国博覧会 三菱未来館に草木染による宗達の「風神雷神」を描き、同協会より感謝状及び銅メダルを受ける。
48年 沖縄の伝統染織工芸の改善発展に寄与する目的で、那覇市に伝統工芸館「首里琉染」を開設。
50年 沖縄県石垣市に「八重山琉染工芸館」を開設。
首里文化祭にて「琉球更紗展」を開く。全国日本学士会特別名誉会員となる。
53年 社団法人日本伝統染織工芸協会の会員となる。沖縄県博物館会員となる。
58年 NHKテレビ「伝統工芸と自然保護」にて首里琉染と八重山琉染を収録、放映。
平成 3年 紀宮内親王、「八重山琉染工芸館」を見学。
4年 NHKドラマ「琉球の風」で衣装、小道具一式を時代考証の上、製作。